こんにちは、システム開発チームのSasamiです。
少し間が空きましたが、前回に引き続き、AIと音楽についての関係性を語らせてください。今回はAIが音楽にもたらす影響をどう見るか、です。
しがないイチ音楽好きの持論たっぷりでお送りします。
生成型AIの懸念点
楽曲生成しかり、イラスト生成しかり、生成型AIは既存作品から学習した膨大なデータを元に、新たな作品を生み出すといったものが主だと思います。これは言い換えれば、ある作品の素材を拝借して、あたかもオリジナルアートのように見せてしまうということでもあります。
そうして生まれた作品の著作権は?倫理は?労力は?
そういった問題から、音楽業界最大レーベルのひとつであるUniversal Music Group(以下「UMG」)は、AIに音楽を盗用されるのではとの懸念を強めているようです。
UMGは大物アーティストからインディーズまで、幅広いアーティストを抱えたレーベルで、実に市場シェアの1/3以上を占めています。普段あまり音楽を聴かない人でも、名前くらいは聞いたことがあるような、まさにスターアーティスト達を国内外で輩出しています。
このUMGが今年4月、SpotifyやApple Musicなどのいわゆるストリーミングサービスに対して、AIによる音楽へのアクセスを制限するよう求めているというニュースが報じられました。
以前、イラストとAIについてのブログを書きましたが、そこでもAI生成した絵画がコンクールで優勝、という出来事を紹介しました。イラスト業界ではすでに問題が複雑化しているようではありますが、この先、音楽系AIが発展していった時に、稼げる人間作曲家が世界に何人残るのか、という懸念に繋がります。
AIの進化により仕事が奪われる?
音楽業界以外でも、AIによって失われる仕事については多々耳にすることがあります。私は結論から言えば、奪われるとも奪われないともいえると思っています。
楽曲制作や音楽配信の仕方など、時代とともに目まぐるしく移り変わっている昨今ではありますが、その時代時代で今と同様に機械に人間の仕事を奪われるのでは、と問題視する声が挙がっていました。
例えば打ち込みやリズムマシン(機械に指示を出せばその通りに自動演奏してくれるシステム)が代表例として挙げられます。
実際、そのクオリティの高さから、レコーディングに呼ばれる演奏家は激減したそうですが、結局はその人独自の感性やテクニックを持っている演奏家は変わらず重宝されています。
また、レコーディングせずとも音源自体は誰でも手軽に制作できるようになった分、逆に言えばライブにおける演奏家の需要は高まったと思います。
つまり、作曲においても同じで、結局は人とAIが共存する世界になるのではないでしょうか。
私は大学時代、某音楽大学で作曲を学んでおりましたが、その時の門下の教授が「良い音楽とは」をテーマに研究をしていました。本来作曲家である教授は「良い音楽」には法則性があるのではと、試行錯誤を繰り返していました。まさに前回のブログで話した「音楽と数学的なシステム」の延長です。
しかし、進行や展開などには一定の法則はあれど、「良いメロディ」だけは、”これだ”という法則性を見つけることができなかったそうです。
メロディとして奏でられる楽器の音色や強弱、その時の伴奏やこれまでの展開、一音の変化による影響から聴者の状況、そしてメロディが歌であればそこにさらに歌詞の力が加わって…、法則として収めることは不可能だったそうです(笑)。
何が良いかは説明できないけど、なぜかグッとくるんだよな~って楽曲、ありませんか?その人にしか作り出せない唯一無二のセンスが光ったような。
正直、作曲系AIに関しては比較的新しい技術のようで、個人的にはまだまだだと思っています。しかし、AI技術の進歩はすさまじいので、すぐに高品質な作品を生み出すようになると思います。そうなると、確かに一定の水準まではAIでまかなえるようになりそうですが、上記のようなセンスを持ち合わせた作家は、この先も変わらず活躍することでしょう。
そして、未来の音楽はより洗練され、高度なものになっていくと思います。
AIと人間との共存が大事
イチ音楽好きでしかない私が、ぐだぐだと偉そうに書きましたが、要はうまく使いこなそうってことです!こんな便利な技術を使わない手はないですし、かといって100%頼りっきりというのも良くないと思います。
機械が得意なこと、人間が得意なこと、はたまた機械と人間が手を取り合うことでなし得ること…。AI技術が急激に進歩した以上、AIと人間との共存を上手く図ることは不可欠です。
私は開発チームの一員で、チャット型AIのChatGPTには大変お世話になっています。ちょっとしたことであればググるより早いですし、もはやこいつなしでは仕事が捗らない身体になってしまいました(笑)。
あれ?これって共存できているよな…?
…私は今日もChatGPT大先生と共存して、より良いシステム作りに励んでいきます!