こんにちは、システム開発チームのSasamiです!
実感するAIの進化
最近のAIの進化はすさまじいですよね。2000年代~現在は第3次AIブームなんて呼ばれているそうで、今や家電から医療に至るまで幅広い分野で大きな存在感を示しています。
私は開発チームでプログラムを書いているわけですが、コーディングにあたり、『Github Copilot』というAIサービスを導入しています。
これは人工知能の技術を活用したコーディング支援機能です。全体・前後の文脈やコメントから内容を読み取り、次にプログラマーが書こうとしている処理を予測して、代わりにコードを書いてくれるというサービスです。
実際に使ってみると、これがま~精度が高いのです。こちらのやることと言えば、提案された仮コードを採用するかどうか、ただキーボードを押していくだけです。
「正にそれを書こうとしてたんだよ~」的なことをバンバン先読みしてくるので、なんだか頭の中を読み取られているような気にすらなります(笑)。
もちろんすべてを書いてくれるわけではないので、複雑なコードや根幹の処理は自分で記述する必要がありますし、多少の手直しも発生します。それでもかなりの手助けになってくれています。
何より、AIが提案するコードにはスペルミスなどの人間がやってしまいがちなうっかりミスがないため、実装を完了するまでのリソースがかなり減りました。
ひと昔前は高性能なAIを求めるとなると、高価でそもそも一般公開されておらず、一般人に提供されているサービスの精度は眉唾もののイメージがありました。しかしここ数年で一般人でも手軽に高性能な技術を手にすることが出来る時代になりました。
そんなAIですが、いよいよ「芸術」の分野にまで手を広げてきたのです。
近年話題のAIアート
AIアートとは、その名の通りAIの技術を用いて生み出されたアート作品のことです。
そもそもAIでアート?という疑問が浮かぶかもしれませんが、今や絵画やイラストでさえもAIで生み出せる時代です。
仕組みは大量の画像データを学習させたAIに、作って欲しい画像のキーワードを渡してあげることで、そのキーワードに沿った画像を自動生成してくれるというものです。入力するキーワードを少し変えるだけで、まったく違った作風の画像を生み出すことも可能なんだとか。
この技術は一般にも公開されており、最近SNS上で話題になったものでは、イラスト自動生成サービスに『Midjourney』があります。
これは好きな単語を入力して少し待つだけで、そのキーワードに沿ったイラストをAIが複数枚出力してくれるというサービスです。さらに出力されたイラストの高解像度化や、スタイルや構図の似ている新しいイラストを出力したり、なんてことも出来るそうです。
私も試しに使ってみました!正直はじめはコンピュータが芸術を生み出すことに懐疑的で、AIによる生成といえど、どうしても違和感は拭えないだろうなと思っていました。
しかし、実際に出力されたデータを見て驚きました。
確かに細かい部分はごちゃっとしていて、なんとなくそれっぽいふうに寄せてる感じは否めないです。が、全体でみると(果たしてこの言い方が適切なのかはわかりませんが)、まるで本当に人間が考えて描いたような構図と作風で、素人目線では非常にハイレベルなイラスト群です。
イメージを文字で指示するだけで、ここまで汲み取って生成してくれるとは…。指示するキーワードを細分化・最適化することで、さらに精度が上がるのでしょう。
実はここ最近、この『Midjourney』を使ったとある出来事が話題になりました。
2022年8月26日~、アメリカコロラド州で『Colorad』o State Fair 2022 Fine Arts』という美術コンテストが開催されました。なんとこのイベントで『Midjourney』のAI技術を用いたアート作品『Theatre d’ Opera Spatial』が優勝したのです!
その作品は、まるでルネサンス絵画とSF風の絵画を組み合わせたような幻想的なもので、優勝者のジェイソン・アレン氏は数百を超える作品を『Midjourney』を用いて生成し、厳選した3枚をコンテストに応募したとのことです。
優勝した部門は新人アーティスト部門の『デジタルアート・デジタル加工写真』分野だったため、特に定義上は問題ないそうです。しかし、AIによって生み出されたアートが優勝…という事態に世間では賛否の声が上がっています。
果たしてAIは芸術の夢を見るか?
―――芸術とは何か?
難しい問題だと思います。私も分野は違えど子供の頃から音楽が好きで、精力的に作曲活動をしていた時期がありました。この一件に対して「芸術性の死」といったような意見が実際に上がっているのですが、正直その気持ちは理解できます。音楽にも作曲AIなんてものがあって、年々精度が向上してきていることに、いち音楽好きとしては少しばかりの危惧があります。
ただ、この著しい進化にワクワクもしています。芸術に足を踏み入れたAIがこの先、どんな躍進を見せるのか…。
AIだからこそ作り出せる独特の芸術がジャンルとして確立されるかもしれません。そしてそれを元に人間がさらにエッセンスを加えて、ひとつの名作を作り上げるなんてのはアリじゃないでしょうか?
AIと人間が”対等”に共存する社会は、すぐそこまで迫っています。
ひとつ言えることは、この先起こるとされている「シンギュラリティ」で、ターミ〇ーターやマト〇ックスのような世界が訪れないことを祈るばかりです(笑)。
…という唐突なSF展開に着地したところで、今回のブログは締めさせていただきます!