開発チームのSasamiです。
前回に引き続き、映画やドラマ・アニメ等の視覚的コンテンツに合わせて流れる音楽である劇伴について語らせてください。
今回は、私の好きな日本の作家について紹介します!お付き合いください。
佐藤直紀
東京音楽大学作曲科 映画・放送音楽コース卒業。卒業後、映画・ドラマ・CM・イベント等、さまざまな音楽分野で幅広く活動されている音楽作家です。
2005年に日本アカデミー賞の最優秀音楽賞を『ALWAYS 三丁目の夕日』で受賞されています。映像作品に寄り添った楽曲を手掛けるのが非常に秀逸で、迫力のあるシンセサウンドとオーケストラを融合した楽曲は圧巻です。
劇伴を手がけた有名作品の一部ですが、以下のようなものが挙げられます。
- 『ALWAY 三丁目の夕日』シリーズ
- 『永遠の0』
- 『龍馬伝』
- 『るろうに剣心』(実写版)シリーズ
個人的にオススメなのがNHK大河ドラマ『龍馬伝』のOPテーマです。緊迫感と高揚感のある楽曲で、これから始まる重厚な物語に説得力を持たせてくれています。
これを聴いて作業をするだけで、何かすごいことをしているような気分を味わえます(笑)。
澤野弘之
ドラマ・アニメ・映画等の劇伴音楽のほか、アーティストへの楽曲提供も行なっており、幅広く活躍されている音楽作家です。また、2014年〜「SawanoHiroyuki[nZk]」というボーカル楽曲に重点を置いたプロジェクトも発足しており、そこでは作編曲に加え、作詞も手掛けています。
有名作品を一部抜粋すると以下が挙げられます。
- 『医龍』シリーズ
- 『マルモのおきて』 ※共同制作
- 『進撃の巨人』
- 『機動戦士ガンダムUC』
個人的に切なくも壮大で荘厳な楽曲が好みなので、ドラマ『医龍』シリーズの「Blue Dragon」「spirit」等は、今聴いても心震えます。映像と音楽が非常に良い化学反応を起こしています。
と言いつつも、正直彼が劇伴を務めた映像作品自体はほとんど観たことがありません…。
ただ、映像を抜きにしても素晴らしい楽曲を数多く手掛けているのです。サウンドトラックとして出されているCDは、アルバム感覚で聴いてもまったくハズレがないです。
邪道かもしれませんが、大学時代に楽曲が好きすぎて観たことのない映像作品をテーマとした音楽LIVEによく赴いていました(笑)。
また余談ですが、彼にデモテープを送ったことがきっかけで、劇伴制作に携わることとなった「林ゆうき」さんという作家もおり、彼の楽曲もまた叙情的でシビれます。
目黒将司
前回の海外編でもゲーム音楽作家について触れたので、こちらでもひとり同ジャンルの作家を紹介させてください。
2021年まで「株式会社アトラス」というゲーム会社でサウンドクリエイターだった「目黒将司」さん。「PERSONA MUSIC LIVE BAND」というゲームの楽曲を演奏するバンドのギタリストとしても活躍されています。
株式会社アトラスは『女神転生シリーズ』や『ペルソナシリーズ』などが有名で、独特の世界観と歯ごたえのある難易度のゲーム作品を数多く手がけています。
今は違いますが、もともとアトラス作品は上記の特徴や作品全体に漂うダークな雰囲気から、いわゆる「取っつきづらい」イメージの強い作品が多かった印象です。
私はその「取っつきづらい」時代からアトラス作品が好きでした。当時はとにかく理不尽な難易度で「クリアさせる気あるのか」とよく思っていました(笑)。それでもハマった理由のひとつに、ゲームBGMの秀逸さがあったのだと思います。
本人が学生時代にバンドを組んでいたこともあり、バンドサウンドが多く、彼の手掛けるロック調の楽曲が特に好みです。上記に挙げたゲームはRPGですが、一番聴くであろう戦闘シーンで流れるBGMがとにかくイカしていて、それだけでモチベーションを高めてくれます。
革新的だったのが、『ペルソナシリーズ』のナンバリング途中から通常戦闘BGMにボーカル楽曲を採用したことです。従来のダークな雰囲気を払拭するための大きな一翼を担い、今では日本を代表するゲーム作品のひとつとなっています。
映像作品を彩る劇伴ですが、音楽単体で聴いても素晴らしい楽曲がたくさんあります。
仕事や作業中にBGMを流すという方は、聴く楽曲によってパフォーマンスが左右されることもあるかもしれません。これを機に少しでも劇伴音楽に興味を持ってくれたら嬉しいです。
最後に、ここまで紹介しといてあれですが…、私はつい気になってしまうので、作業中に音楽は聴けないタイプです(笑)。
それでは!